国内のエイズ(HIV)患者数は?ちゃんと知っておきたいエイズという性感染症

2020年06月03日

エイズは1980年代に初めて確認されてから現在に至るまでに、世界中に蔓延し続けている性病です。エイズが発病して適切な治療を受けないと、2~3年程度で死に至ります。エイズが発病する原因は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して免疫機構が破壊されることです。HIVは免疫細胞に寄生して増殖するという性質を持ち、数年~20年もの長い期間をかけて徐々に免疫力が弱くなります。免疫力が弱くなると健康な人であれば問題がないような常在菌やウイルスの日和見感染症を起こしたり、悪性腫瘍が発症して、最終的に死に至ります。

日本国内で報告されているHIVの主な伝染経路は性的な接触で、異性間よりも同性間性的接触の方が多いです。特に男性の同性愛者に多い傾向がみられますが、性行為の際にコンドームを着用しないことや肛門で切れて出血するケースが多いことなどが原因とみられます。性的接触以外でも、医療事故や汚染された血液の輸血でも感染するケースがあります。世界的に見ると大半は性的な接触が原因でうつることから、性感染症(性病)のひとつとみなされています。

HIVは非常に弱いウイルスで、人体を離れるとすぐに活性を失ってしまいます。このため、日常生活・日用品の共有・プールや入浴施設などで他の人にうつることはありません。唾液や涙にはウイルスはほとんど含まれていないので、飛沫感染の心配もありません。

世界的に見ると、近年はHIV感染者やエイズ患者の総数は減少し続けています。ただし日本国内に限れば、現在も患者数は毎年増加し続けています。日本国内の感染者・患者の総数は確認されているだけで2万人を超えており、年間あたりに新規に報告される人数は1000~1200人です。無症状の潜伏期間に検査を受けて気づくケースも少なくありませんが、約3割(300~400人)の人はエイズの症状が出た後に受診して発覚しています。

この病気の症状が発症した後に治療を開始してもある程度の効果が期待できますが、発症前に治療を開始する場合と比較すると余命が短くなる傾向がみられます。エイズで死なないためには、発病する前に治療を開始することが大切です。

1996年に複数の抗ウイルス薬を組み合わせた治療法が開発され、HIVに感染しても薬を飲み続けることでエイズの発症を防ぐことができるようになりました。それまでは治療方法がなく、HIV感染すると確実に死に至る不治の病として恐れられていました。現在は適切な治療を受けることで、エイズの発症を予防することができます。

HIV治療の方法は、毎日決まった時間に決められた治療薬を確実に服用し続けることです。血液検査と薬を処方してもらうために病院に通院する必要がありますが、薬を飲み続けて発症を抑えることができれば日常生活が可能です。ただし治療を受けても体内の病原体を排除させることができないので、完治させることは不可能です。このため、発症を予防するためには一生薬を飲み続ける必要があります。

HIVは変異が起こりやすいので、1回でも薬を飲み忘れるだけで薬剤耐性を獲得する恐れがあります。ウイルスが薬剤耐性を獲得すると薬が効かなくなって発病してしまうので、服薬を開始した後は毎日確実に薬を飲み続けることが必須です。