梅毒患者が若い世代で増えている現実を知りましょう!

2019年12月18日
カプセルを持っている男性

日本国内ではクラミジアや淋病などの性病患者が多いですが、近年は梅毒患者数が急増しています。厚生労働省の性感染症報告数のページを見ると、2010年には621件だったものが2018年には7001件と10倍以上に増加しています。ちなみに2018年に医療機関から報告された他の性病の件数を比較すると、尖圭コンジローマは5609件で淋病は8125件でした。日本国内において、梅毒は淋病に匹敵するほど蔓延していることがわかります。患者には10~20代の若い女性が多く含まれ、地方よりも都市部で蔓延しています。

2010年以前でも国内で梅毒患者が毎年数百件程度が報告されていましたが、患者のほとんどは男性同士の同性愛者でした。男性の同性愛者の間で感染者数が多い理由として考えられるのは、性交の際に肛門で出血することです。ところが近年は、都市部の風俗店のサービスに従事する若い女性の間で患者数が増える傾向がみられます。

日本国内で梅毒患者が急増している理由として、外国人観光客が国内の風俗店を利用した際に病原体が持ち込まれたという説があります。近年は海外旅行に行く日本人よりも、外国から日本に訪問する観光客が上回るインバウンドが顕著にみられます。インバウンド観光客数の増加率と、梅毒患者の増加率が一致しています。

外国人観光客の国籍で一番多いのは中国本土(中華人民共和国)で、2番目が韓国です。これらの国々から訪問した男性の外国人観光客の間で、日本国内にある性風俗店のサービスが人気を集めています。中国から来た団体旅行客が、都市部の性風俗店が入居する雑居ビルを丸ごと借り切ってサービスを利用するケースもあるほどです。中国本土では今でも梅毒感染者が多く、観光客を通して日本に病原体が持ち込まれたとする説が有力です。

現在は外国人観光客の増加以外にも、国内外で性病が蔓延しやすい環境が整っています。世界中でモバイル機器が普及し、出会い系アプリを通して知り合った相手と性行為をする若い人が増えています。2015年に英国の性感染症予防協会は、出会い系アプリによって梅毒やHIVなどの性病に感染する人が増えていることを警告しました。出会い系アプリを利用すれば手軽にセックスパートナーを交換したり、簡単に複数の相手と性交渉をすることができます。性交渉の相手が増えると、性病に感染する確率が高くなります。

梅毒は過去の病気と思われがちですが、日本や他の国々で患者数が増加している性病のひとつです。10年ほど前であれば、年間あたり千件にも満たないようなマイナーな病気でした。ところが2018年時点において、クラミジア・性器ヘルペス・淋病に次いで4番目に多い性病です。
感染力が非常に強力な梅毒は、性交渉の際に男性がコンドームを着用しても感染を予防することができません。今後も感染者数が増加することが予想されるので、十分に注意を払う必要があります。